MIMICについて

ABOUT MIMIC

MIMICとは

 MIMICは、2019年に美術家の岡本秀(日本画、漫画)、熊野陽平(現代美術)によって立ち上げられた、アーティストの技法を記録するリサーチプログラムである。  メンバーが記録者兼制作者としてリサーチ対象者の技法を学び、模倣しながら考えるプロセスを通じて、アーティストの価値観と技術を、参照可能な情報としてアーカイブする。

 同時代の他者や時代状況に際して、アーティストが作品についてどのように語り、コミュニティを形成するか、記録者自身も当事者の一人として介入することによって、細分化された影響関係や、思考の振れ幅など、容易に確定できない作者性の揺れをそのまま残すことを目指す。


MIMICのリサーチ手法

【ワークショップ】

リサーチ対象者となるアーティストの作家性を特徴づける制作技法、モチーフへの考え方についてインタビューを行う。その上で、参加メンバーがリサーチ対象者の作風を模倣して実制作を行う。制作の様子や成果物の講評会を映像記録し、字幕付き動画として当ウェブサイトにて公開する。

例えば、油画作品を制作する石井海音(いしい・あまね)のリサーチでは、〈ドローイング→テストピース→小型の習作→大型の絵画制作〉という順序で段階的な制作を行い、各段階ごとに石井を交えて講評会を行った。

【展覧会のリサーチ】

美術展やアートイベントなどで、出展アーティストと鑑賞者との、展示作品を介したやり取りを記録撮影する。記録者であるMIMICも会話に参加する。

アーティストが、鑑賞者と作品についてどのように会話するのかをリサーチすることで、模倣を通じたリサーチとは別の角度から、アーティストや作品への理解が深まるようなアーカイブを行う。

活動経歴

2020年10月ウェブサイトを公開
202006月「思い立ったが吉日(ヴォイスギャラリー/京都、オンライン開催)」

ヴォイスギャラリーと複数のアーティストによるプロジェクトおよび展覧会に出展作家・配信スタッフ・映像記録として参加
202002月「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2020(京都文化博物館ほか/京都)」

宇野湧〔陶磁器作家〕、黒木結〔現代美術作家〕と結成したグループ「フェアフェア」として参加
2019年10月岡本秀、熊野陽平によって発足


「MIMICのリサーチ_石井海音」を開始

MIMICのメンバー

岡本秀

岡本秀 OKAMOTO Shu

1995 年奈良県生まれ。京都市立芸術大学大学院修士課程絵画専攻日本画修了。京都市内を活動拠点とし、マンガや、日本美術をルーツとした絵画作品など主に平面イメージを扱って活動を行う。

主な個展に、2019 年清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ Vol. 90 岡本秀展「位置につく死体、幽霊の支度」(清須市はるひ美術館、愛知、2019)、個展「次元のえんそく」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA、京都、2019)、グループ展に「暗黙知の技術」(FabCafe Kyoto/MTRL KYOTO、京都、2019)がある。

ウェブサイト|https://www.okamotoshu.com/


熊野陽平 KUMANO Yohei

1986 年京都市生まれ。2016 年京都市立芸術大学美術研究科絵画専攻構想設計修了。美術家。近年は共同制作を中心とし、ワークショップの開催やマンガ、ボードゲームなどを表現に用いる。

主な展覧会にALLNIGHT HAPS 2019 後期「Kangaru」(HAPS オフィス1F、京都、2019‒2020)、京芸transmit program 2018(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA、京都、2018)、Open Diagram(元崇仁小学校、京都、2016)がある。

熊野三十一(くまの・さんじゅういち)として「おばけの連判状」に参加。